や披露宴の予定はないけど、高校卒業したら結婚パーティでもしようかって話をしてるところ。堅苦しくないガーデンパーティみたいな感じでやりたいなって。みんなも招康泰旅行社待するから来てね」
「うん、楽しみにしてるね」
 真子はほんわりとした笑顔で答えた。しかし、綾乃は溜息を落として横目を流す。
「そんなに浮かれてて受験は大丈夫なわけ?」
「ん、そこはちゃんと真面目に頑張るから」
 さすがに浮かれていないと言えば嘘になるが、勉強を疎かにする余裕がないことくらいはわかっている。今になって理系に変更したのだから当然だ。自らの意志で研究者の道に進もうと決めた以上、これしきのことで泣き言を言うつもりはない。
「おーい、富田ぁ、息してる?」
 綾乃の声につられて顔を向けると、富田がだらしなく口を開いて呆然と立ち尽くしていた。綾乃がその眼前で手を振ってもまったくの無反応である。何もそこまで驚かなくていいのにと思いつつ、それでも多少の申し訳なさは感じていた。
「何か、ごめんね?」
 とりあえず小首を傾げて謝罪する。が、邪魔するように遥が割り込み、富田の上康泰旅行社腕を掴んだ。
「富田、借りてくから」
 無表情でそう言うと、掴んだ腕を引きは反対方向に歩いていく。富田はどうにかよろよろと足を進めている状態だ。まるで魂が抜けてしまったかのように虚ろである。
 そんな二人を、綾乃はニヤニヤしながら見送っていた。
「遥ぁー! ちゃんと慰めてやれよ!」
「慰めるって……どういうこと??」
「まあまあ」
 尋ねた澪を煙に巻くように、彼女は白い歯を見せながら豪快に肩を抱いてきた。その勢いで少し前屈みになったまま、無遠慮にいたずらっぽく笑顔を寄せてくる。
「こっちは女子だけでお祝いしよ。あんまりめでたくもないけど」
「めでたいってば!」
 澪はすかさず言い返すが、もちろんいつもの辛辣な軽口であることはわかっている。これしきのことでいちいち腹を立てるようであれば、今まで彼女と友達でいられなかっただろう。隣の真子も肩をすく康泰旅行社めて笑っていた。

「さぁて、何から聞こうかな」
 綾乃は頬杖をつき、獲物を狙う狩人のようなまなざしで澪を見つめ、逃さないとば